休日はよくスパイスカレーを作っている。
カレーにはまったきっかけは、東京駅の八重洲口地下にある「コロンビア8」。左手にししとうを齧り、グレープフルーツジュースを飲みながら食べるサラサラのカレー。ご飯の上には大量のナッツらしきものがかかっている。食べ方の流儀も、味わいの軽やかさも、それでいてスパイス独特の異国風味も、すべてが未知だった。
この時点では、まだカレーを「カレー」という大きな枠組みの中でしか捉えられていない。ただの「ちょっと変わった美味しいカレー」。
そんな曖昧な認識を壊したのが、三軒茶屋の「MANOS」。ここのカレーは凄い。一口食べた瞬間、口の中に異国の風が吹き荒れた。風というよりもはや嵐。奥行きのあるスパイスの香味とでも言うのでしょうか。問答無用にその香味が口の中に押し寄せられ、同時に刺激が暴れまわる。瞬時に虜に。今でも一番好きなカレー屋だ。
MANOSに行ったきっかけは、コロンビア8での体験から、やはり「スパイスカレー」というカテゴリに認知が徐々に傾いていたのでしょうね。ただ、その後は食べログなどを見て、スパイスカレーに限らず名店巡りを始める。幸い、妻も同じようにコロンビア8を気に入ってくれてたので、夫婦ふたりでカレー巡りが出来たという幸運も。
「火星カレー」「ボンディ」「エチオピア」「デリー」「トプカ」「旧ヤム邸 シモキタ」「プーさん」… 次から次へと食べ歩いた。
そうして食べ歩くうちに、「作れるのでは?」という邪な考えが浮かぶ。特に「MANOS」のようなカレーを再現したい。ならば「スパイスカレー」を作るしかない…と。
ただ、「適当にスパイスを混ぜとけば、それっぽくなるだろう」という甘い見積もりは、一瞬で崩壊。クローブの破壊力、カルダモンの暴力的な香り。そのひとつひとつが独立した個を持ち、絶妙なバランスで衝突し、響き合う。スパイスは、味ではなく、戦いだ。何を言ってるか自分でもわからない。
これから、自作カレー奮闘記を少しずつ記録していきたいと思います。
試行錯誤しながら、自分にとっての心地よいスパイスカレーを探し続けられたらなと。
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